巡見~江戸を縦貫する 序章
先月末と今月、私の講義を忍耐強く聴いてくれている学生さんたちをお誘いして、東京の町あるきに出かけた。
町あるきのタイトルは、「江戸を縦貫する」。そのスタート地点は、吉原(かつての遊郭、今はソープランド街)の裏手、少し離れた所にあって、亡くなった遊女たちの“投げ込み寺”として名高い三ノ輪の浄閑寺。ゴール地点は、江戸城本丸(現在は東御苑という名前の公園として公開されている)の天守閣跡。
途中、吉原、山谷、旧浅草新町、浅草寺、浅草橋や神田の問屋街、日本橋周辺(三井本館や日本銀行など)、丸の内オフィス街その他を見て回るコース。もちろん、一日で全行程を踏破するのはつらい。浅草橋を中間点として前半と後半に分け、別々の日にそれぞれ4~5時間かけて歩いた。
東京という巨大な都市社会を串刺しに貫こうとする場合、色んな方向に串を刺すことができると思うが、そのひとつが今回の巡見コース。こうした串刺しコースをずっと歩き通してみることで、都市社会の厚みが体感できるように思える。特に今回のコースは、近代・現代の東京の社会空間構造に対する近世江戸の社会空間構造の強い影響を確かめることもできる内容だろう。
今日から何回かに分けて巡見の様子を報告してみよう。
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