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2005/01/23

巡見~江戸を縦貫する6 吉原からの帰り道

五十間道のS字カーブ

 遊郭吉原の正面玄関は吉原大門。その大門から土手通りと呼ばれる表通りまでは100メートル弱離れている。こうして外界からしっかり隔離された吉原と表通りとをつなぐ一本の道の名が五十間道。この道は直線ではなくて、S字につくられている。なんでも、土手通りに将軍の御成があった時に吉原の内が見えないようにするためのカーブだという説がある。ホントかなぁ。

 まあ、道の設計者の意図はともかく、このカーブは実際いろいろ便利だと思う。お客にしてみると、例えば吉原の帰り、もしこの道が直線であったなら、大門を出て土手通りまでの間をニヤニヤしながら歩く自分の姿が、表通りを行き来する人に始終ずっと晒され続けちゃう。このカーブがちょうどよい緩衝。
 もうひとつの利点。大事なお客がお帰りの場合、遊女はこの大門まで一緒に行って見送ったという。もしその先の道が直線なら、お客が表の土手通りに辿り着きそこで曲がって姿が見えなくなるまでのかなり長い時間、見送る遊女は大門のところに頑張って立っていなくちゃならない。去りゆく客がいつ振り返って手を振るかわかんないもんね。そんときにアクビとかしてちゃまずいしね。土手通りに出たところの大きな柳の木は、その名も見返り柳。実際は、カーブがあるおかげで、大門を出てちょっと行けば客も遊女も互いの姿が見えなくなる。お見送りにはこれくらいがちょうどいい加減でしょう。

 現在、五十間道のS字カーブはそのまま残る。土手通りに出たところ、右手のガソリンスタンドの前、かつて見返り柳があったところには柳の若木が植えられている。

 巡見の一行は土手通りを横断してから通りを少し北西に進み、右の商店街に入る。これから山谷地区へ向かう。次回の記事は山谷地区の戦後について概説の予定。

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