巡見~江戸を縦貫する12 浅草寺の宗派はどこ?
分離独立
さて、ここで問題です。現在、浅草寺はどの宗派に属しているでしょうか?
江戸時代、浅草寺が上野寛永寺と深い関係にあったことを知っている人は、天台宗って答えるかもしれませんね。でも正解は、天台宗ではありません。
浅草寺は、独自の宗派「聖観音宗」を自分で立ち上げています。ただし、「聖観音宗」ができたのは昭和25年のことで、それ以前、浅草寺は天台宗に属していました。その天台宗から分離独立して「聖観音宗」を作ったというわけです。
千数百年の歴史を持つという浅草寺も、現在の宗派の歴史という面からみれば、新興宗教と言えるのかもしれません。
現在、「浅草寺」を中心に、たしか24ヶ院くらいの子院がまとまって、“グループ浅草寺”=「聖観音宗」を構成しているようです。そのうち、2、3ヶ院をのぞいた子院20ヶ院余りがまとまって“入居”している僧坊が、前回の記事で紹介したお寺のアパートです。
浅草寺の「受難」史
ところで、江戸時代、将軍綱吉がかの生類憐み令を出した頃から、この「聖観音宗」ができる昭和20年代なかばまで、浅草寺は250年以上の長きにわたって「受難」の歴史を歩んだとされています。
次回は、その浅草寺「受難」史のうち、明治維新期から戦後昭和20年代なかばまでの流れをおおまかに紹介します。
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コメント
テレビ朝日のお坊さんとお寺が出ていたので宗派に興味あったことです。
投稿: 初めて聞きました。 | 2019/06/08 19:42