お江戸日本橋の魅力とは? その1
日本橋の何を再生するの?
日本橋再生のあり方を考える場合、重要なのは、いったい日本橋の何を再生するのか、という問題だろう。
再生すべき日本橋の魅力とは何か。つまり、かつての日本橋がもっていた魅力とは何か。ここでは、江戸時代の日本橋の魅力について考えてみたい。
日本橋は江戸名所の筆頭
江戸時代後期に出版された江戸のヴィジュアルガイドブックの決定版、『江戸名所図会』が紹介する江戸名所のトップバッターが、他ならぬ日本橋である。この本で、史跡やら神社仏閣を抑えて、日本橋が江戸名所のトップにすえられたことの画期性については、千葉正樹さんが鋭い分析を加えている(千葉正樹『江戸名所図会の世界』吉川弘文館2000年)。
『江戸名所図会』の「日本橋」図を眺めてみる。そこに描かれている日本橋の姿は本当に魅力的だと私も思う。もし、一回限り使用できるタイムマシンがあって、それを使って江戸のどこに行きたいか、と尋ねられたら、迷うことなく、日本橋、と答えるだろう。
『江戸名所図会』にみる魅力
では、この「日本橋」図に表現された日本橋の魅力とは何か?
建築物としての日本橋は、たしかにそこそこ立派ではあるが、まあ、当時の江戸ではありふれたデザインの橋だ。
川沿いに蔵が建ち並ぶ景色もしばしば賞賛されるが、これまた、当時の江戸だとさほど珍しい光景ではない。つまり、日本橋が江戸名所のトップに選ばれた理由は、こうした建築物のみが作り出す景観にあるのではない。
「日本橋」図が私たちに伝えてくれる日本橋固有の魅力とはいったい何か。
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