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2006/01/23

お江戸日本橋の魅力とは? その7

景観から疎外された人々

 前回の記事では、私の好きな景観の条件として次のようなことを掲げた。

 多様な人々の存在を認める地域社会があり、そうした多様な人々がそれぞれ主体的に地域の景観形成にコミットできているならば、その地域の景観には多様性とディテールが生まれる。そんな多様性とディテールとを備えた景観が好きだ、と書いた。

 では、景観形成へのコミット、という問題について、もう少し具体的に検討する。

 まずはコンビニについて考えてみよう。コンビニの屋外看板が景観の構成要素であることについては、簡単に納得してもらえるだろう。さらに、店の内外における照明の色や強さ、ガラスの壁ごしにみえる商品陳列棚のデザインや配置なども、景観の構成要素としてみよう。他にも、店の外からも見える店員のユニフォームなども、思い切って、広義の景観的要素としていいかもしれない。

 コンビニ以外でも、チェーン展開のコーヒーショップ(例えば、日本橋北詰の角地、つまり日本橋の超一等地にもこれがある)やファストフード、ファミレスなどの飲食店も似たような事例とすることができるだろう。

上に挙げたコンビニその他のお店における景観的要素、すなわち、看板・照明・商品陳列棚・ユニフォーム(?)の、色や大きさ、デザインなんかを決めているのは誰なのかってことが重要な問題となる。

 これらのお店で働く店員さんや店長さんが、こうした景観的要素を決定する過程にどの程度関与できるのだろうかってことが問題なのだ。

 このようなコンビニやチェーン展開の飲食店は、おそらく極端な事例かもしれないが、その他、多くのアパレルショップやドラッグストア、その他、個人経営ではないお店について、同じような問いを発してみよう。

 こうしたお店の店内、あるいは、お店が商売している地域社会の範囲内に、これら景観的要素の決定に深く関わった人が存在するか否か。多くの場合、答えは、否ということになるのではないか。

 ここには、自分たちが働き暮らす地域社会において、その景観づくりから疎外されたままの、たくさんの人々を見出すことができる。

 次回は、こうしたお店がテナントとして入居する商業ビルの設計・デザインなどを考えるのが、どこの誰なのか、って問題について考えてみたい。

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コメント

 現在、慶応4年の大久保大和率いる旧幕府軍の動向を追っています。
 その最期の地になった流山と日本橋が調査によって密接になろうとしております。
 旧幕府軍も食事やら物品の購入には金がいるわけで、なんらかの人物の援助が必要となります。
 日本橋は酒味噌砂糖醤油と、食品の流通の要となっていることから流山とも密接な繋がりがありました。
 日本橋と戊辰戦争についてはあまり資料の少ない内容なので、日本橋関係の史料もボチボチと収集予定です。
 貴ブログを楽しみに拝見いたしたいと思いますので、どうか頑張ってください。

投稿: あさくらゆう | 2006/01/24 07:16

コメントありがとうございます、あさくらさん。
流山と日本橋との繋がりは面白そうですね。
ぜひ、あさくらさんのご研究に学ばせてくださいませ。

投稿: 小林信也 | 2006/01/25 12:20

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