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2006/01/16

お江戸日本橋の魅力とは? その6

多様性とディテール

 前回の記事で、私の好きな都市景観の条件とは、多様性とディテールである、と書いた。そして、多様性とディテールが景観に備わるためには、地域社会の側に多様性とディテールが備わっていなくてはならない、と書いた。
 地域社会における多様性とディテールについては、さらに説明が必要だと思う。多様でディテールをもった社会とは、どのような社会なのか。

 それは、①「多様な人間が共存する地域社会」であり、かつ、②「多様な人間のひとりひとりが社会のディテールとしての存在意義を持ちうる地域社会」である。

多様な人間が共存する地域社会

 ①については、そんなに説明はいらないだろう。お年寄りの暮らせない地域や子供の遊べない地域はこれに該当しない。あるいは、体などに障害をもつ人や「外国人」などのマイノリティを排除する地域もこれに該当しない。
 例えば、役人ばっかりがたくさんいる官庁街や、大企業のビジネスマンばかりがいるオフィス街などは、その存在を否定する気はないが、私の場合、ことさら好きになる対象でもない。

人間がディテールとして存在する地域社会、試金石としての景観

 よく考えなくてはならないのは②の方である。①でいうような多様な人間が存在する地域であったとしても、ただ存在するだけではだめである。
 では、どのようなかたちで存在する地域社会が良い地域社会なのか?それを判断するための試金石として有効なのが、実は景観の問題なんだと思う。私が景観にこだわる理由は、ただもうこの一点のみにあるといっていいかもしれない。
 多様な人間のひとりひとりが景観にコミットできているか否か。コミットできている地域社会を良い地域社会だと私は考える。
 仮に、多様な人間がそこ存在していたとしても、地域の景観に対して主体的にコミットできていないのならば、その人間は社会のディテールとしては認められていない状態にあると考える。
 なお、ここでいう「存在する」とは、居住することだけではない。その町で働いていることも、その町に「存在する」ことである。

六本木ヒルズにディテールはあるか

 例えば、六本木ヒルズを考えてみよう。たしかに、そこには多様な人々が暮らしたり、あるいは働いたりしている。
 しかし、それら多様な人々が皆、あの“町”のディテールとして存在しえているかどうか。つまり、ヒルズの景観にコミットできているか否かが問題となる。
 次回は、こうした問題を検討する。

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