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2006/11/08

セレモニーホールと日本社会 その2

前回の記事で書いたように、セレモニーホールの増加には数年来、関心をもっており、講義でも取り上げていたが、今年になって、福田充・八木澤壮一「葬儀業としての会葬葬儀の普及と変化について」(共立女子大学家政学部紀要52、2006.1.)という論文によって、それが思った以上の急増ぶりであることを知った。

同論文に載せられた全国調査の記録によれば、自宅で葬儀を行ったケースが1983年では葬儀全体の54.7%で、1986年には58.1%、1989年には56.7%、1992年には52.8%、1995年には45.2%、1999年には38.9%、2003年には19.4%となっているのに対して、「葬儀専門の式場」での葬儀は、同じ年次で、5.2%、5%、10.5%、17.8%、17.4%、30.2%、56.1%となっている。自宅や「式場」以外の場所として多いのは寺社や教会で、これはやや減少気味となっていて2003年では16.4%、他には集会所・公民館などがわずかにある。

以上の数字が示すのは、まず「葬儀専門の式場」=セレモニーホールの激増である。2003年になって、日本人の葬儀の過半数がセレモニーホールで行われるようになっている。逆に、かつては葬儀の過半数が自宅で行われていたのが、2003年には自宅での葬儀は19.4%へと急減しているのである。

同論文は、「現在では、葬儀の担い手が地域コミュニティから専門の事業者(葬儀社および冠婚葬祭互助会、農協・生協などの団体)に移行しており、その提供する商品やサービスは多様化の一途を辿っている。なかでも、葬儀を専門の用途とする斎場(葬祭会館・セレモニーホール)の建設が増加しており、葬儀を行う場所が急速に葬祭会館に移行している」とまとめている。

それでは、こうしてセレモニーホールが急増しているとき、自宅での葬儀と同様、世の中から急速に姿を消しつつあるものは何であろうか?

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