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2006/12/18

ヒルズ巡見を終えて その3

表参道ヒルズ~前編

 人影まばらな赤坂アークヒルズを出て、地下鉄銀座線の溜池山王駅へ。そこから表参道へ出て、この日最後のヒルズ、表参道ヒルズに向かう。
 表参道ヒルズにはたしか三つぐらい入り口があったと思うけど、建物の面白さを味わうには、青山通りの方から表参道の坂をおりていって、一番最初にある入り口から入るのが良いと思う。
 小さなエスカレーターをおりると、コンクリートうちっぱなしの壁。その壁の間の細い入り口を進むと、急に、目の前に地下3階地上3階をつらぬいた大きな吹き抜け空間が現れる。
 この入り口からだと、狭い入り口を潜り抜けたあとの吹き抜け空間との出会いが劇的である。おおまかにいうとこの大きな吹き抜け空間は細長い三角柱のかたちをしているが、その一番尖った方から入っていくことになる。

 さて、その吹き抜け空間の側面にはらせん状の通路がつけられ、その通路に面して商店が並んでいる。入り口にたって空間と向き合うと、らせん通路のあちこちを、上へ下へと歩く大勢の人々の動きが同時に視界に入ってくる。
 ここで久石譲の音楽でもかければ、『千と千尋の神隠し』に出てくる巨大湯屋のシーンに少し似てくるだろう。
 吹き抜けにしたおかげでもちろんテナント用のスペースは減るわけだが、その代わりに得られたのは、どこからでも一望で確かめられる浮き立つような繁華の体感だろう。
 ついでにいえば、六本木ヒルズとは対蹠的に、誰もが自分の目的地を視認して迷わずそこへ行くことができるという明快さもある。

 通路に面して並ぶ商店。要するにここは、基本的な商店街のラインがパタパタと折りまげられて収容された空間だ。

 あるいは、明治期に流行したという勧工場を連想する。勧工場研究の第一人者である初田亨は、商品を陳列展示する近代的店舗形式のはしりが勧工場だというが、それは不正確だろう。商品の陳列展示は、江戸の露店マーケットですでに満面開花していた。それらは明治になって広場から追われた。勧工場の多くは、そうした露店マーケットを室内に収容して作られたものではないかと私は思っている。

 それはともかく、表参道ヒルズは、そんな大衆消費の華としての勧工場の魅力を持つと同時に、勧工場になかった内部空間の開放と賑わいの可視を備えて成立している。(つづく)

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