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2007/08/22

猛暑巡見のかんたんな報告~中編

江戸のメインストリート
 人形町から大門通りを神田方面へ進む。前方に、通行量の多い大通りとの交差点が見えてくる。この大通りの現在の名は、江戸通り。江戸時代の呼び方だと、本石町通り。大門通りから見ると、本石町通り沿いは、周囲と比べて微高地であることがわかる。

本町通りと本石町通り
 さて、その本石町通りに出る少し手前で、我々は右折する。この通りが本町通り。由緒正しき江戸のメインストリート。常盤橋際から浅草橋際まで延びる。江戸の建設期、江戸町方の中心である日本橋北地区一帯の町割り造成工事がこの本町通りを中心軸にして行われたと、かつては考えられていたこともあるが、最近の研究だと、実際の中心軸は、本町通りの隣を平行して走る本石町通りだったという説が有力だ。
 ただし、造成工事の中心軸が本石町通りだったとしても、江戸城下の町方の社会的編成上の中心軸が本町通りであることは疑うべくも無い。
 こうした中心軸の二重化はどうして生じたのか?その理由を勝手に想像してみよう。徳川氏の城下町として江戸が建設される以前から、中世の江戸湊や浅草辺りには、ある程度の町場の発達があったとされる。江戸湊の内奥の低地にあって、微高地上を走る本石町通り沿いには、すでに、ぱらぱらと町場ができていた(のかもしれない)。日本橋北地区の造成に際しては、まずこの本石町通りを直線的に整備し直し、それを基準線として、一帯の町割を進めた(同前)。しかし、江戸のメインストリートには、本石町通りではなく、その隣の道筋が選ばれた。新たに造られたその道路沿いの土地は、先住者のいない新規造成地であり、徳川氏に随伴する有力町人たちを入植させるには、本石町通りよりも好都合だった(同前)。こうして、新たなメインストリートには、本町・大伝馬町といった、江戸で最も格式の高い町々が作られていった。
 と、まあ、想像してみたけど、実際のところはどうだったんだろう。単に、日本橋北地域に向けた江戸城の玄関ともいえる常盤橋門に対して、本石町通りの入り口よりも本町通りの入り口の方が近かったから、というのが理由かも知れない。

 さて、そんなことを思いつつ、本石町通りの手前で大門通りを右折し、本町通りに入る。これを浅草橋の方向に少し進むと、龍閑川埋立地に着く。戦後、廃墟の瓦礫でもって埋め立てられた場所だ。この埋立地の歴史にはかなりの思い入れがあるが、今回はそれに触れることもパス。
 この先が、繊維問屋街の中心だ。(つづく)

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2007/08/13

うなぎの白焼きの食べ方は絶対コレ!

 鰻の白焼きを、こうやって食うと美味いだろうな、という食べ方を先日の記事に書きました。で、昨日、実行。

 大成功。本当に美味しかった!白焼きは、刺身みたく、わさびと醤油で食べたりもしますが、それより絶対こっちの方が美味い。鰻好きなら、絶対に試してみてくださいな。

 食べ方:スーパーでかった、一尾880円の白焼きのうなぎ。それを電子レンジで熱くする。その上に、かなりタップリとわさびを載せる。わさびは、これまたスーパーで買ったチューブ入り(私はエスビーの本生わさびが好き)。わさびの量は・・・うなぎ一尾につき、チューブから10センチ強くらい絞り出し、それを箸でもってうなぎの表面に適当に散らす感じ。あとは、塩を全体に軽くふりかけて、最後にオリーブオイルをうなぎ全体にかける。その際、うなぎの上に散らしたわさびには、少しずつでもいいですから、もれなくオイルがかかるように。

 こんなにわさびを載せると、辛いんじゃないの?と思うかもしれませんが、オリーブオイルが少しでもかかると、わさびの刺激的な辛さはほとんど消えて無くなります。かなり不思議。ですから、わさびはたっぷり載せてください。きっと、子どもが食べても平気です。

 わさびに加えて、コショウや万能ネギも試しにかけてもみましたが、これらはみな不必要かと。うなぎとわさびとオイルと塩。これだけで、あとは邪魔。

 さて、オリーブオイルだけは、どうしても、上質の物を使う必要があります。安物の、“なんちゃって・エクストラヴァージン”ぐらいだとダメかも。シチリアの・・・とか、ウンブリアの・・・とか、トスカーナの・・・とか、リグーリアの・・・とかいった、生産地名をしっかり掲げて“売り”にしているようなオイルがいいです。
 ちょっと高いですが、まあ、これがあれば、肉でも魚でも、グリルしてからソースかわりにかけて食べることができます。肉や魚の素材さえ良ければ、このうえなく簡単で美味い食べ方です。一本常備しておいて損はありません。デパ地下とかで見かけたら買ってきましょう。

 うなぎの白焼きのわさび風味オリーブオイルがけ。ぜひ、一度お試しを。周りに彩りの野菜を添えれば、イタリア料理屋さんで十分にお金のとれる一皿になります。鰻屋さんでも絶対人気のサイドメニューになると思います。

 最後に少し種明かしを。オイルとわさびの組み合わせは、私のオリジナルではありません。料理研究家の有元葉子さんが、豆腐を蒸して熱くして、それにわさびをのせてオイルをかけるという食べ方を紹介されていて、そのパクリです。

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2007/08/09

猛暑巡見のかんたんな報告~前編

 おととい、巡見にいった。江戸城本丸から、日本橋・神田・浅草をとおって、三ノ輪にある通称投げ込み寺の浄閑寺までを歩く「江戸を縦貫する」コースの第二区間。日本橋兜町から浅草稲荷町まで。
 
 地下鉄茅場町駅の集合場所では、思ったよりもたくさんの学生さんが集まってくれていた。暑い中、夏休みにもかかわらず。感心、感心。

 最初は、第一国立銀行跡を通って、東京証券取引所へ。見学。周辺には証券会社が集まっていて、その中心がこの取引場。いうまでもなく、ここは株の市場。めまぐるしい取引が今まさにここでおこなわれているのだろうが、取引所の中も、兜町界隈も、拍子抜けするほど静か。取引所の資料展示室の写真などを眺めて、株屋さんたちがひしめき合う、かつての市場の様子に思いをはせる。そういえば、もうすぐ株券も無くなって電子化されちゃうんだっけ。

 取引所を出て、日本橋川を渡り、人形町へ。途中、穀物商品取引所の前を通り、人形町。天保改革前までの芝居の町。改革後は、名主熊井理左衛門の支配町々。
 甘酒横丁に入り、大門通りへ。この辺り、いわゆる元吉原。江戸の初期、吉原遊郭があった場所。

 大門通りを神田方面へ進み、本町通りにたどり着く。
(つづく)

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2007/08/05

8月7日「巡見~江戸を縦貫する」のご案内

次回巡見の直前ご案内です。日程は、8月7日の火曜午後。
各大学とも夏休みに入ってる上に、この暑さ、いったい何人の人が一緒に歩いてくれるのか、少々不安ですが、まあ、もし少人数であれば、それなりに濃密?な巡見(+アフター巡見)を楽しみましょう。

コース:東京証券取引所と兜町界隈→本町通り→神田繊維問屋街→両国橋広小路跡・柳橋界隈→浅草橋問屋街→蔵前(余裕があれば浅草寺雷門まで)

集合:地下鉄茅場町駅B1Fの定期券売場の前あたり(8番出口の近く)で13:00集合です。

各自、暑さ対策をそれなりに。

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