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2008/05/19

近世の終焉としての現在 4

Ⅱ.小経営の時代の終わり

 ①農家と農村の消滅(その前半)

 今の日本社会において、もっとも急速に消えているものはなにか。それは、街角の公衆電話だろうって思うかもしれないが、それと同じくらいの勢いで数を減らしているのは、農家と農村であろう。

 近世期の農家人口が総人口に占める割合は、一般に、80%を超えるといわれる。その後、戦前まではおおむね農家人口3000万人で、総人口比だと40~50%が保たれる。人口比は長期減少傾向だが、ただし、この間、総人口自体が増加しており、農家人口の絶対数についていえば、それほど極端な減少はなかったといえる。農業の就業人口でみても、明治前期から1960年代までは、1300~1400万人の水準が維持されてきた。

 その後の高度成長期で就業人口は激減し、1990年には、上記水準の3分の1の400万人弱となる。農家人口も減少して1700万人強となり、総人口に占める割合は15%を切った。

 近年、それらの減少傾向は加速している。2006年では、就業人口が320万人あまりとなった。戦前の水準の4分の1をさらに下回っている。農家人口は、1000万人を大きく割り込んで、793万人あまりとなっている。総人口に占める割合は、わずか6.2%となった。

 また、就業人口の60%ちかくは65歳以上の高齢者が占めており、後継者不足の問題とあいまって、今後の農業人口の減少にはさらに拍車がかかる見通しだ。2025年には、農家人口が総人口に占める割合は、2.7%にまで落ち込むという将来推計も出されている。

 今回の記事の見出しの「消滅」は大げさすぎるかもしれないが、それでも、私たちの社会において、農家というものは、相当、希少な存在になりつつある。 (次回は、農村の「消滅」について)

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