近世の終焉としての現在 1
近年、大学での授業で、たびたびする話がある。その話をしばらくこのブログでも綴ってみたい。
なぜ、今、学生さんたちは近世史を勉強した方がよいのか、といった話である。
20世紀末から21世紀初めにかけて、つまり、現在は、きっと、日本史上におけるもっとも大きな転換点だと思う。ただ、ふだん生活していると、そうした転換には気づきにくい。誰しも、今日は昨日とだいたい同じだし、今日と同じ明日が来ると思って生きている。現在、私たちの身の回りで起きている社会の大変化を認識するには、そのためのアンテナを立てる必要がある。で、そんなアンテナを立てるためには、近世史を勉強する必要がある。その理由を説明しようと思う。
以下の話の構成は、だいたい次のとおり。
Ⅰ.日本史の転換点をめぐって
われわれの社会のルーツはどこか
近世・近代連続史観~尾藤説と朝尾説の一致
Ⅱ.小経営の時代の終わり
農村の消滅
商店街の消滅
疑似小経営的サラリーマンの家庭の解体
Ⅲ.近世の終焉としての現在
家業の解体と少子化・非婚化
無用となった地域コミュニティー
名君政治の終わりと迷走
エピローグ、「新しい日本」
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