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2010/06/21

7月の巡見「江戸を縦貫する」番外編予告

 巡見「江戸を縦貫する」は、今年度もご好評(?)のうちに実施中です。

 4月に実施した第1回目は、三ノ輪から吉原・山谷・浅草までを歩きました。次は、順当なら、浅草から日本橋までの区間ですが、問屋街や証券市場などを含むこの区間は平日の方が面白い。というわけで、こちらはおそらく8月初めの平日に実施します。

 で、今回は番外編。最近注目している東京のエスニックタウンを歩いてみようかなと。

 今のところ、池袋北口のチャイナタウンと、新大久保のコリアンタウンを歩くつもりです。池袋のチャイナタウンについて、詳しくは、こちらの興味深いホームページをご覧ください。

 日程は、直前の発表で恐縮ですが、7月4日の日曜午後を予定しています。

 詳細は近日中にこのブログや各大学での授業で発表します。

 この巡見企画は、原則として、私が各大学で担当している授業の受講生に呼びかけての企画ですが、この記事をお読みになられて興味を持たれた一般の方の参加も可能です。お申し込み方法や期限などについてはまたあらためて。

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2010/06/14

行きました。吉田光男『近世ソウル都市社会研究』書評会。

 先週出席した書評会の感想を少し。

 夕方、浜松町のアルバイト先を出て、書評会が開かれる大学へ向かう。たまたまだけど、その大学が私の出身大学。
 大学に着いて恩師の研究室を外から見ると灯りがついていたので、長らくのご無沙汰のお詫びに急遽訪問。そこで偶然、米国留学から帰って日本の大学に就職したばかりの若い友人も同席。紅茶をご馳走になり3人でしばし歓談。なつかしい。で、3人ともそのまま書評会へ。

 さて、書評会。評者は京都工芸繊維大学の石田潤一郎さん。他にコメンテーターとして、東京理科大学の伊藤裕久さんと東京大学の金銀眞さん。評者・コメンテーターともに、工学部の建築系の研究者の方々。とはいえ、人文系の研究者の立場からみても、そこで示された問題関心については、何の違和感もなく共有できる。
 そのような論点の共有状況は、書評会を主催した研究会組織や、その研究会設立の前提となった研究グループが、30年以上もの間、都市史の分野において、人文系と工学系のクロスオーバーを積み重ねた結果でもあるだろう。久しぶりに出席した研究会で、あらためてその有効性について感心。
 そんな研究環境のもとで研究をスタートさせた前出の若い友人やその同世代の人たちが、今後、きっと新たな都市研究のパラダイムを築いていくんだろう。

 書評会には、著者の吉田光男さんもご出席。時間が限られていて、評者・コメンテーターの質問に吉田さんが回答し、最後は、司会の指名で私の恩師が出した質問に応答があって、会はお開き。いずれも興味深い質疑応答だったが、自分が事前に抱いていたいくつかの疑問を発言する間も無く、それは残念だった。ただ、コメンテーターから出された、ソウルの鐘閣付近の店舗空間に関する議論は、私の研究テーマからしてとても興味深かった。とはいえ、要は、近世・近代初頭のソウルの商業空間の細部についてはまだほとんど何も解明されていないんだな、ってことがよくわかったという感じ。研究余地が広いのは良いことです。うんうん。

 吉田さんのご著書の白眉は、ソウルの戸籍の詳細な分析。その強い実証が基本にあってその上に展開される都市論だからこそ、人文系とか工学系とかいった枠を超えて惹きつけられる魅力がこの本にはある。

 さて、当日の質疑応答にもあったが、吉田さんの所説に対するいくつかの疑問うちの最大のものは次のとおり。
吉田さんは、ソウルをふくめた近世朝鮮社会における地域共同体の存在意義が日本などと比べるとかなり低い、と主張する。その根拠は、主に、住民の高い移動性とコミュニティ内における幅広い身分・階層の雑居性である。例えば、ソウルの「洞」という地域単位においても、そうした移動性と雑居性とが注目され、それにより、「洞」のもつ地縁的結合の弱さが強調される。
 たしかに、全住民を包括するような地縁的結合を見出すのは、そういう地域の場合、吉田さんの言うとおり、困難なのかもしれない。しかし、住民の職業や階層などによっては、ある程度強い地縁的結合を要する人々が、そこには部分的に存在した可能性がある。コルモクキルという、ソウルを訪ねた人ならおなじみの、細い路地を挟んで両側町的に展開する「洞」において、そこに雑居する様々な職業・階層の各々の実態にまで降りてみての、丁寧な分析が必要だろう。

 今年もできればソウルに行って、町あるきをやってみたい。黄鶴洞というところにあるホルモン横丁が気になっている。すぐ背後にロッテが建設した超高級マンション街区に押しつぶされそうになりながら頑張っているその横丁の歴史を知りたい。横丁で一番の古株だというホルモン屋にはもう6~7回通って、そこのオモニに少しは顔を覚えてもらった。聞き取りができたらいいな。
 20年史?30年史? その横丁自体がもっている歴史の長さについてはまだ知らないが、その横丁的空間=社会の系譜をさかのぼっていけば、何らかのかたちで、近世ソウルの街角へと到達するのではないだろうか。

 そうか・・・先日も酔った勢いで発案したけど、このブログを通じてご報告させてもらっている町あるき企画「江戸を縦貫する」の今年の番外編はソウルに行こうか。参加者の学生さん・社会人さん、いかが?

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2010/06/09

吉田光男『近世ソウル都市社会研究』の書評を聞きに

 今夜は、吉田光男さんが書かれた朝鮮近世都市史の研究書、『近世ソウル都市社会研究-漢城の街と住民』(草風館、2009.2.)の書評会に出かけてみるつもり。

 このブログでもちょっと書いたけど、最近、ソウルという都市に興味をもっている。特に興味をもっているのは、自分のこれまでの研究との関連で、ソウルの市場や露店の世界。
 今年の夏休みも、単独でソウルへ調査旅行にいくつもり。今回は、できたら通訳を誰かにお願いして、これまでのソウル旅行で通って見知った市場や露店の人たちに聞き取りもしてみたいなぁ、と夢を膨らませている。

 もちろん、こうした市場や露店の世界の特徴や存在意義を考えるには、その周囲の都市社会も視野に入れる必要がある。さらに、上掲の吉田さんの本には、市場に関する論文も収められている。というわけで、この本を読み始めていたところ、タイミングよく、かつて頻繁にお邪魔していた研究会が書評会を開催するとの案内メール。ここ何年かご無沙汰の研究会で、なんとなく敷居が高いが・・・まあいいや。そんな過剰の自意識はともかく、まずは書評が楽しみだー。

 次回の記事は、この書評会の報告かな。

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2010/06/08

近況など少し

 今年度は、このブログの更新をもっとやろうと思ってたのに・・・反省。最近、体力が低下したせいか、夜になると早々に眠くなってしまい、翌日の授業準備が精一杯の体たらく。
 というわけで、ちょっと気楽に、日記でも書いてみようかなと。いっそ、毎日の晩御飯の献立でも書こうかな。

 さて、そんな先週末、いつになく楽しく過ごす。

 金曜日はミュージックステーション(テレ朝の音楽番組です)に注目だった。というのも、YUI (お気に入りの女性シンガーソンライターです)が久しぶりにテレビに生出演。
 この人、テレビで歌うのが苦手らしくて、2年前に同番組に出たとき、かなりボロボロの出来。路上ライブやスタジオ一発録りを聴けば、基本この人の歌は下手ではなく、さらには、声のニュアンスのつけ方などでは他の追随を許さないものがあると思うんだけど、なぜだかテレビが大の苦手みたい。
 そんな事情を知っているファンの多くは、たぶん僕同様、手に汗握りながらの視聴だったと思うけど、結果はとても良い出来でした。ひと安心。よかった、よかった。これで彼女もトラウマ克服か。
 新曲のTo Mother は優しいバラードで、セールスはちょっと伸びないかもしれないけど、ほんと、良い曲です。未聴の方はお試しを。

 翌日の土曜は出講先のひとつの女子大で歌舞伎鑑賞会。
 半蔵門の国立劇場に行く。他の女子大や女子中も相乗りの鑑賞会で、観衆のおそらく9割以上は10代20代の若い女の子たち。まあ、最近はこういうシチュエーションにもすっかり慣れてきたけど。
 演目は「鳴神」。あらすじは・・・天皇の約束違反に腹を立てた高僧・鳴神上人が、山中の滝つぼに竜神を封印したため、国中が日照りに苦しむ。そんな上人の元へ宮中から密かに派遣された賢く美しい姫が、色仕掛けで上人を油断させて竜神の封印を解く、という話。
 初め厳格だった上人が、姫の手練手管で次第に骨抜きにされていき、最後は騙されたことを知って、逆上しまくる、という変容ぶりが見所。
 といっても、コミカルタッチの進行だから、メフィストにそそのかされるファウストというよりは、どこぞの地方都市のキャバクラで、最初、偉そうに女の子に説教していた“社長”さんがだんだん酔っ払ってただのスケベなオヤジになっていくのとそっくり同じ(まあ、ファウストだって似たようなものか)。
 最後の荒事のシーンも、さんざん嬢に貢がされた後でキレちゃってるおっちゃんみたい。
 姫が上人を落とす決め手は、仮病を使ってそれを介抱する上人の手を自分の胸元へ、というストレートな攻撃。これはちょっとね・・・禁じ手じゃん。で、とどめは、酒に酔わせちゃうというもの。
 なかなか笑えます。楽しく観劇。観客席を埋めるお嬢様がたの感想やいかに。「勉強になる」か、あるいは「なぁんだ、まるで初歩じゃん」か。

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