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2012/02/14

大阪出張報告書

 先週、大阪出張に行きました。宿を天満にとりました。ネットで見つけたんだけど安くて良い宿でした。フロントの対応もいい感じだし、掃除も行き届いていました。大阪行くことがあればまた泊まりたい。
 電車の音がガタゴト響いてくるのも、薄めの壁で部屋の外の物音が漏れてくるのも、まあ、僕としては無問題。今はビジネス旅館ってことだけど、どうやら以前は別の用途の宿だったみたい。部屋と浴室との間の壁にガラスがはめてあって、なかなかムード満点。きっと、いろんな思い出のつまった部屋なんだろうなぁ。

 やっぱり天満は面白い街だった。天満市場と天神筋商店街が界隈の二つの核かな。火曜・水曜両日、朝から夕方まで千里の方で仕事があったけど、月曜夜から水曜夜にかけて、仕事の前後で街を歩き回りました。

 朝は早起きしてお初天神こと露天神社へ。言わずと知れた曽根崎心中の現場。JR環状線の天満駅に程近い宿から歩いて20分くらいかな。

 お初の観音めぐりにちょっとだけ倣って、太融寺の千手観音にもお参りしてからお初天神へ。天満方面から行くと、お初天神の手前はラブホテル街・歓楽街。もちろん朝だから静かな道行き。

 前夜、宿の部屋で、角田光代の『曽根崎心中』を読んだばかりということもあり、なかなか感慨深く現地を参詣。

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 角田さんの『曽根崎心中』読解には魅せられた。岩波文庫の原文の『曽根崎心中』を読むかぎりでは、お初が死を選択する心情がいまいち理解できなかったが、角田さんの『曽根崎心中』を読んで、「早く早く」と死にひた走るお初への共感が得られた。物語のラスト、心中の直前、徳兵衛へのある疑念がお初の頭をかすかによぎるという設定にも感心。ネタバレにならぬよう、ここではその疑念の具体的内容を紹介しないけど、言われてみると、ほんと、もっともな話だ。鋭いなぁ。

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 お初天神へのお参りの後は、すぐ近くにある“路麺店”にて朝食。かすうどんを食べた。出汁がびっくりするくらい美味しい。ただ、こっちで通っている歌舞伎町のかすうどんのお店と比べると、油かすの質がいまひとつかな。というわけで、翌朝、二度目のお参りの後は、きつねうどんにした。これは文句なしにすごく旨い。天満にある別のうどん屋さんで食べたときも、やっぱり油かすの質があまり良くなかった。どちらもそれなりに評判の良いうどん屋さんなのだが、どうして油かすの質には無頓着なのだろう。大阪のうどん屋さんにおいては、もしかしたら、かすうどんは近年の流行り物に過ぎなくて、いまだ本流のメニューではないということなんだろうか?大阪で、いつか美味しいかすうどんにめぐり会いたいものだ。

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 仕事終わりの夜は、三夜とも、天神筋界隈の居酒屋さんのカウンターをハシゴ。どこも安くて美味しい。はじめてイカ焼きを食べた。イカ焼きといっても、関東周辺の屋台とかでも売ってるイカの丸焼きとかじゃない。イカと卵とを鉄板に挟んで焼いたもの。出来上がりはお好み焼きに似てる。東野圭吾の傑作『白夜行』の冒頭に出てくる。あの本読んでから、ずっと食べてみたかったんだ。
 写真のお店は「さかづき」さん。ここ、通いたいなぁ。

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 「さかづき」さんのきずし(サバを酢で〆たもの)。

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 美味しすぎて、飲み終わりのときにお代わりを頼んでしまった。で、大将に頼んで、大阪土産に写真を撮らせてもらった。野暮? だって旅のお客なんだもん。
 この浸かり具合が絶妙。

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 ポテトサラダ、きずし、串カツ etc。カウンターで大阪のおっちゃんたちに挟まれて飲むのは、ほんと、楽しかったなぁ。

 帰りの新幹線で読んだのは、井上理津子『さいごの色街 飛田』(筑摩書房、2011.10.)。飛田新地を12年間にわたって取材しつづけた成果としてのルポルタージュ。ついつい近世の曽根崎新地と比べながら読んでしまった。今度、大阪行ったら、飛田、行ってみよう。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: 出張の基本 | 2012/03/05 18:57

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