江戸楽アカデミー夏期講座への出講を終えて
3年前くらいから、江戸文化歴史検定の関連講座「江戸楽アカデミー」の講師をやっています。
本年度の夏期講座も、僕が担当する2回は無事終了。
テーマは、7月15日の1回目が「江戸のグルメ」、そして一昨日29日の2回目が「吉原と岡場所」。
おかげさまで、1回目は定員35名のところ、事前受付にて札どめ満員御礼。2回目も25名の方にお越しいただくことができて、まずはほっと一安心。
「グルメ」の方は、自分自身が食いしん坊なので、講座の準備にも、自然、気合が入りました。高級料亭の話、そして、いちおう得意分野の屋台の話、あとは、江戸のうどんと蕎麦のことなども取り上げさせていただきました。
「吉原と岡場所」の方も、自分自身が…というわけではないのですが、最近、興味をもっているテーマなので、こちらも頑張りました。
このテーマは、江戸楽アカデミーだけではなく、あちこちの講座で取り上げることが最近増えていますが、その準備作業を通じて、従来の江戸の売春に関する研究に対して、だんだん不満がつのってきました。
たとえば… 江戸で売春を生業とする女性たちを、たいていの研究は、大きく二つに分類します。公認の遊郭で働く遊女と、それ以外の非合法売春に携わる隠売女との二つです(まあ、今回の僕の講座のタイトルもそれに追随しちゃってますが)。
しかし、これは、基本的に、当時の為政者の視点にたった分類です。売春に従事する女性たちの実態に迫ろうとする場合、これとは違う、そうした女性たちの視点にたった分類が可能だと思えてきました。とても重要な論点だと思えます。
今の僕にはそのことを論文にまとめあげる余力は全然ありませんが、今後も市民講座やカルチャースクールなどで、このテーマを担当する機会に、少しずつ、研究を深めていければいいかなぁと。
まだ未公表なので詳細は書きませんが、今秋も都内の某区の講座で、江戸の遊女について複数回お話しをさせていただける見込みです。とてもありがたいです。それ、頑張ろうっと。
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