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2023年4月 9日 (日)

ようこそ江戸へ

『江戸名所図会』の冒頭に載せられた4枚の挿絵には、読者を江戸の町へと誘うため、ある面白い工夫が施されている。

その4枚のうち最初の絵は、江戸城の真上600メートル前後の上空に視点が置かれ、そこから江戸の市街地と江戸湾とを眺める構図をとっている。そして、2枚目以降、その視点は徐々に下降していく。2枚目は地上およそ200メートル、3枚目は3040メートル、そして4枚目は78メートル、といった具合である。これにより、『江戸名所図会』をめくる読者は、4枚の絵を順に見ることで、江戸のはるか上空から地面近くまで、だんだんと舞い降りていく感覚を味わうのである。

こうした工夫が施されていることを指摘したのは、『江戸名所図会』の研究書も書いている千葉正樹さんである。読者を江戸の町へ誘導する工夫には、上に書いたような視点の高度変化だけではなく、それぞれの絵の視角の動きや建物・人物の描写の変化も動員されていて、さらに効果的なものとなっている。

『発見!江戸名所図会』の第1回「ようこそ江戸へ」では、こうした工夫について千葉正樹さんが分かりやすく解説をしている。

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