両国へ行くと何がある?
『江戸名所図会』第2冊の冒頭に収載された「両国橋」図は、数ある『江戸名所図会』の挿絵の中でも屈指の力作である。この図が特別な力作に仕上がっていることに関しては、それが編者や絵師の強い意志によるものであるのはほぼ確実である。
ところで、「両国橋」図については下絵が現存している。その下絵と「両国橋」図とを比較すると、完成図は下絵の構図を大きく変更して描かれていることがわかる。この構図変更の内容や目的について考察すると、「両国橋」図に込められた編者や絵師の狙いが明確になるだろう。
『江戸名所図会』の冒頭で誇示される日本橋の繁栄ぶりとは異なる江戸固有の都市風景が「両国橋」図には活き活きと描かれている。こうして同図は、比類なき巨大都市としての江戸を見事に象徴しているように思われる。編者や絵師の狙いもそこにあったのだろう。「両国橋」図に描かれた江戸固有の都市風景とはどのようなものなのか。詳しくは『発見!江戸名所図会』第4回「両国へ行くと何がある?」で。
最近のコメント