江戸名所図会の空間演出
『江戸名所図会』に騙されるな(笑)
上の絵は「牛込神楽坂」である。絵の左端には神楽坂の坂下が描かれ、坂の上、絵の右手奥には有名な毘沙門天善国寺が描かれている。神楽坂に行ったことのある人なら気づくかもしれない。坂下から善国寺まではこんなに近くないよなぁ、と。
『江戸名所図会』の価値を大きく高めているのが挿絵における写実性である。しばしば写真のような写実性とも評される。挿絵の制作にあたり、絵師長谷川雪旦は現地へ赴き綿密な取材をした上でそこにある建物や行き交う人々の姿などについても正確な再現に努めたことが知られている。
そのため、『江戸名所図会』の挿絵を見る人は、それが実際の江戸の風景をそのまま忠実に描いたものであると思いがちである。しかし、一部の挿絵では、実際の風景を基にしつつもそれを改変した風景が描かれているのである。しかも、それらの改変は、見る人がそれに気づかないような巧みな方法で施されている。
それでは、そうした改変は何のためになされたのだろうか。
『発見!江戸名所図会』第5回「江戸名所図会の空間演出」では、「小名木川五本松」・「柳原堤」・「八見橋」・「牛込神楽坂」・「新吉原町」の5枚の挿絵を取り上げて、それぞれの絵に施された改変がどのようなものであるのか、そしてそれは何のための改変であるのかを考えてみた。
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